医療法人泰庸会新潟脳外科病院

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頸動脈狭窄症

頸動脈狭窄症は脳梗塞を引き起こす原因の一つであす。以前は欧米人に多いとされていましたが、日本でも食生活の欧米化により近年増加しています。高血圧・糖尿病・高脂血症など生活習慣病によって起こる動脈硬化が主な原因となります。脳梗塞や一過性脳虚血発作を起こした場合には、頸動脈狭窄が潜んでいる可能性があります。また無症状で経過していることも多く、動脈硬化の危険因子をお持ちの方は一度検査をしておくと安心です。

 

①検査

頸動脈エコー

超音波を使った検査で、低侵襲に行うことができます。
頸動脈狭窄のスクリーニング、経過観察に有用です。


頸部MRI・MRA

頸部エコー同様に、スクリーニングと病変の経過観察に利用されます。撮像法によって血管の内側に付着したプラークの性状を調べることができ、硬いものか、軟らかいものかによって治療方針の決定や治療戦略に大きく役立つことがあります。

 

3DCTA

静脈注射によって造影剤を注入しながらCTを撮影します。3D処理をすることで全身の血管を立体的に捉えることができ、検査・治療において様々に活用されます。頸動脈狭窄の原因は動脈硬化であり、全身の血管にも同じように病変が潜んでいる可能性があります。心筋梗塞や狭心症の原因となる冠動脈病変と頸動脈狭窄との合併が稀ではなく、3DCTAを行うことで冠動脈の状態をあわせて調べることも可能です。


血管撮影

積極的な治療を考慮する場合に行います。カテーテルを血管の中を通して病変の近くまで運び、造影剤を注入して頸動脈の撮影を行います。

足の付け根の大腿動脈、腕の上腕動脈などの血管を直接穿刺して行う必要があり、頸部エコー・MRI/MRA・CTなどの検査に比べ侵襲性は高くなりますが、狭窄部を正確に詳しく評価することができます。


②治療

まず、喫煙・過食・運動不足などの生活習慣を正していただき、動脈硬化のリスクとなる高血圧・高脂血症・糖尿病などに対する内科的管理を行います。これにより、脳梗塞の発症や病変の進行をできるだけ予防していきます。
狭窄の程度がつよかったり、すでに脳梗塞や一過性脳虚血などの症状が発現しているもの対しては、精査を行った上で手術が考慮されます。治療方法には、動脈を切開して血管を狭くしている原因であるプラークを切除する頚動脈内膜剥離術(CEA)と、カテーテルを使って血管の内側から狭窄部を広げる頸動脈ステント留置術(CAS)があります。
実際に手術をするかどうか、またどちらの方法で治療するかは、患者様の年齢や状態、病変の部位・性状・程度をよくふまえた上で、患者様の意向に沿って方針を決定します。

 

 

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