医療法人泰庸会新潟脳外科病院

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脳腫瘍

脳腫瘍は頭蓋骨の内側にある組織(脳、脳を包む硬膜・クモ膜、血管、ホルモン分泌器官の下垂体・松果体、脳から分岐する脳神経、脈絡叢など)にできた腫瘍で、元々の発生部位が頭蓋内である原発性腫瘍と、他の臓器の腫瘍が頭蓋内に転移した転移性腫瘍とに分けられます。

 

①症状

症状発現は腫瘍の種類や発生部位により異なります。頭痛、認知機能の障害、人格変化、てんかん発作、言語障害、運動麻痺、感覚障害、視力・視野の障害、物が二重に見える(複視)、聴力や嗅覚の障害、眩暈やフラツキ、など多彩です。また、ホルモン分泌に影響する腫瘍では、高血圧、体毛や皮膚の変化、体重増加・減少、無月経、不妊症、乳汁分泌、思春期早発症などで発見される事もあります。
脳腫瘍が大きくなると、脳・神経が圧迫されるだけではなく、頭蓋内の圧が上昇して頭痛・嘔吐・複視・目のカスミなどが現れます。頭蓋内圧亢進による頭痛は特に朝方に強く、嘔吐すると楽になるという特徴があります。

②脳腫瘍の種類

脳腫瘍は神経上皮性腫瘍、神経鞘性腫瘍、髄膜性腫瘍、リンパ腫・造形細胞性腫瘍、胚細胞性腫瘍、トルコ鞍部腫瘍、転移性腫瘍に大別され、WHO分類では約130種類の組織型に分けられています。原発性腫瘍の悪性度もWHO分類により4段階に分けられます。グレードⅠは良性腫瘍であり、外科的手術により治癒が可能です。しかし発生場所が脳の深部で、脳神経や血管を巻き込んでいる場合には機能を損なうことなく全摘出することが困難なこともあり、必ずしも良性とはいえない症例もあります。グレードⅢ、Ⅳの腫瘍は悪性腫瘍であり、外科的手術に加えて化学療法や放射線治療の対象となります。

 

主な原発性脳腫瘍

脳腫瘍の種類 発生率 グレード 悪性度
神経膠腫

・星細胞腫
・悪性星細胞腫
・膠芽腫
・髄芽腫
・その他

 

28.3%

 

Ⅰ~Ⅳ
Ⅰ~Ⅱ


 

良性・悪性
比較的良性
悪性
悪性
悪性

髄膜腫 24.4% Ⅰ(一部Ⅱ~Ⅲ) 良性・一部悪性
下垂体腺腫 19.2% 大部分良性
神経鞘腫 10.1% 大部分良性
中枢神経リンパ腫 3.5% 悪性
その他 14.5%

(脳腫瘍全国集計 2001〜2004 より)

 

③画像診断

MRI検査は解像度が高く、腫瘍の診断にはもっとも有用です。腫瘍が疑われたら、一般には造影剤を使用した撮像が必要になります。CT検査は頭蓋骨や血管との位置関係をみたり、石灰化や出血を見る場合などに必要です。治療が必要な場合には血管撮影も行われます。

 

④治療

治療が必要かどうか、必要だとすると如何なる治療を行うかは、症状、腫瘍の発生部位、大きさ、組織型、年齢、全身状態など色々な要素を総合して判断します。例えば、発生部位や大きさがほぼ同じ場合でも、全く違った治療法になることがあります。

治療には外科的摘出術の他に、薬物療法、放射線治療、化学療法、免疫療法、遺伝子治療などがありますから、症例に応じて適切な方法を選択することになります。
外科的摘出術は一般には顕微鏡手術が行われますが、部位によっては内視鏡手術も行われます。またナビゲーション、術中モニタリング(ABR,MEP,SEPなど)も広く行われています。

 

 

 

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