頭部外傷により頭蓋骨の内部に出血を起こし、急性に血腫を形成して症状をきたすものです。
主なものに「急性硬膜外血腫」と「急性硬膜下血腫」があります。
急性頭蓋内血腫の症状
形成された血腫が頭蓋骨内部のスペースを占拠することにより内部の圧が上昇し、頭痛・嘔吐などの症状が現れます。さらに病状が進行すると意識障害をきたし、早期に死に至る可能性があります。
受傷直後は意識がはっきりしていることもあり、注意が必要です。
急性頭蓋内血腫の診断
①急性硬膜外血腫
頭蓋骨と、脳を被覆する硬膜の間に血腫が形成されます。
血腫は画像上、凸レンズ状にみえます。
多くの例で頭蓋骨骨折を伴います。
②急性硬膜下血腫
硬膜と脳の間に血腫が形成されます。
血腫は三日月状にみえます。
急性頭蓋内血腫の治療
症状が重篤な場合、画像上の脳圧迫所見がつよい場合は手術を行います。
広範囲に開頭して減圧を図り、血腫を除去します。
死亡や後遺症を残す可能性が高く、早期診断・早期治療が重要です。
急性硬膜外血腫術後のCT:血腫が除去され、開けた骨を戻してチタンプレートで固定してあります。
(骨は数ヶ月間開けたままにしておくこともあります)