医療法人泰庸会新潟脳外科病院

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病理部

 病理部では、神経系を中心とした病理解剖と、脳神経系手術標本の診断や、体腔液の細胞診を行っています。

開院直後の19891月より病理部の活動は始まりましたが、当初、解剖とその標本作製は、新潟大学脳研究所病理学部門生田房弘教授(当時)の協力の元で行われていました。199110月より神経病理医が着任し、同時に技師1名が病理部門専任となり、解剖と標本作製を全て当院で行う体制が整いました。以後、国際共同研究や、当院における学術行事に積極的に参加してきました(表1)。202012月末までの集計では、解剖例が212例、生検診断は1002例、細胞診断は215例です(図1)。

 

 

剖検例では、当院の診療の中心でもある脳血管障害例が多く、脳梗塞、高血圧性脳出血、クモ膜下出血、脳アミロイド・アンギオパチーによる出血、などがみられます。また、神経膠腫や髄膜腫、血管内リンパ腫などの腫瘍、Creutzfeldt-Jacob 病 (CJD)などの感染症、パーキンソン病、アルツハイマー病、栄養障害に伴う脳症、などの変性・代謝疾患など、多岐に及ぶ症例が蓄積されています(表2)。

これらの症例の検索を通して、脳アミロイド・アンギオパチーに伴う出血に関する新しい知見(図2) (Neuropathology 2003, 2012) や、パーキンソン病におけるLewy 小体の末梢自立神経系における分布に関する知見(Acta Neuropathol 1993、Neuropathology 1994) 、また、基礎疾患を持たない進行性多巣性白質脳症 (PML) (Neuropathology 2007, 2009)(図3)、真菌性動脈瘤 (Cl Neuropathol 1998) など、積極的報告してきました。また、CJD患者の看護経過や解剖方法について、コ・メディカルとの共同報告も行ってきました。そして、病理技師の立場から、標本作成時に切片に生ずるシワ防止の方法 (医学検査 1999) や、染色方法の改良など、多岐にわたり、発表してきました(図4)。学会や研究会からの講演依頼も引き受けてきました(表3)。

 

 

 

 

 

脳の肉眼検討会である Brain Cutting では、剖検脳や脳血管、一般内臓器のきれいな肉眼写真を残すことを心がけています。これらの画像 (56) は、看護師はじめ、全職員に対する教育に役立てられています。

 

 

 

図5.クリッピング手術が行われた後交通一内頚動脈瘤

図6.自然経過の神経膠腫

 

 

剖検脳の Brain Cutting は当院全職員に公開され(7)、毎年の「院内研究会」では、臨床病理検討会(CPC)を企画し、医師や看護師ばかりでなく、診療放射線科や臨床検査科、事務部門など、その症例に関わった全ての部署からの発表も加えた検討が行われています。

 

図7.Brain Cuttingの様子
図7.Brain Cuttingの様子

 

 

 

 

 

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